開発秘話

パイロン誕生のきっかけ

パイロンの誕生は、2000年の春、サラリーマン投資家だった小次郎さんと、高速アルゴリズム開発では業界で評判であったフリープログラマ(当時)のN氏との会話がきっかけでした。


小次郎さんは、オンライン証券の設立ブームにのって、軽い気持ちで株式投資を始めた個人投資家の一人でした。
当初はチャート分析、テクニカル分析による投資を続けていたものの、 なかなかうまくいかずに苦労していました。
しかし、自分でテクニカル指標の研究を重ね、 仕事のあいまの趣味として始めたはずが、いつの間にやら熱心なテクニカル分析の研究家になってしまいます。
のちに、「テクニカル派のポータルサイト」というサイトを始めてしまうほどです。

しかし、テクニカル分析を研究すればするほど、「本に書かれていることは本当なのだろうか?」と思うようになったのです。 「ゴールデンクロスは買い」などとあたりまえのように書かれていますが、実際に株価チャートを見ていると、それに反する例はたくさん見つかります。本当に使えるテクニカル指標はあるのだろうか?そして、それをどうやって見つければよいのだろうか?
そういった疑問がどんどん出てきたのです。


いっぽう、N氏はフリーのプログラマとして活躍しながら、株式投資にも興味を持っていました。 大量のデータを分析することは、プログラマーの得意分野です。 知り合いの小次郎さんから個人的に依頼をうけて、売買検証ツールなどを作成していましたが、 それにとどまらず、独自の株価分析プログラムを作っては、それをもとに売買を行うといった、機関投資家も顔負けの投資に取り組んでいました。


そんなときに二人は「システムトレーディング」という新しい投資スタイルを知ります。当時はシステムに関する日本語の資料も少なく、わからないことばかりでしたが、研究を重ね、数年かけてオリジナルのシステムを開発するまでになりました。

投資法というよりは、むしろ新しい投資スタイルというべきかもしれません。
投資家が自分で売買を判断するのではなく、まず、コンピュータで過去のデータを分析する。 そして、優位性が確認できた売買ルールを採用し、あとはコンピュータに売買タイミングをまかせるのです。
株で儲けるために一番重要なことは売買タイミングの判断ですが、それをコンピュータまかせにしてしまう、ということが衝撃でした。

当時、まだまだ日本では「システムトレーディング」という言葉を知っている人はとても少なかったのです。
しかし、

「投資先進国アメリカでは、システムトレーディングが普及している」
「有名な投資家にはシステムトレーディングを使っている人が多い」

ということを知り、よりいっそう

「これからはシステムトレーディングの時代になる。」
「なぜ日本にはシステムトレーディングのためのソフトが無いのか?」

との思いを強めていったのです。


そしてついに、2000年の春、
『誰でも使えるような、システムトレーディングのための専用ソフトを作ろう!』
という話になったのです。

二人は何度も打ち合わせをしながら、約2年をかけて初期バージョンを開発しました。 いままでには存在しなかった種類のソフトですから、まさに試行錯誤の連続です。

1.「簡単なシステムだけでなく複雑なシステムも開発できる」
2.「パソコンに詳しくなくてもマウスだけで簡単に使える」

という、難しい2つの課題を実現するために、何度も設計を1からやり直しました。


小次郎さんの運営する「テクニカル派のポータルサイト」には、同じように「システムトレーディングをやってみたいが、そのためのソフトが無い」という悩みを抱えている多くの個人投資家が集まるようになりました。
そんな人たちの期待に答えようと、日々開発を進め、 そして、2001年の末、ついに初期バージョンが完成したのです。

はじめは小次郎さんのサイトのファンだけに限定公開していましたが、2002年に「パイロン」という名前で一般公開しました。
利用者からは次々に感謝の声や、機能追加のご要望が寄せられ、その期待の大きさに驚かされることになります。

パイロンは「トレーディングシステム開発ソフト」という、今までに無いジャンルのソフトでしたが、多くのユーザーに受け入れられることになりました。証券会社や投資顧問業など、プロの方にもご利用いただいております。


パイロンは、一人の投資家の声から生まれたソフトですが、こうして多くのみなさまにご愛用いただいていることを何より嬉しく思います。


おまけ - パイロンの名前の由来

パイロンってどういう意味ですか?とよく聞かれます。

パイロンと聞くと、工事現場などでよく見かける赤色のコーンを思い浮かべる人が多いと思いますが、もともとパイロン(PYLON)には塔という意味があり、飛行機の進路の目標となる塔のことをパイロンといいます。混沌とした投資の世界で、進むべき道を示してくれるソフトになって欲しいという願いを込めて「パイロン」と名付けました。

ちなみに、「古代エジプトの神殿の入り口にある塔門」や「飛行機のエンジンをつる支柱」もパイロンというそうです。

よく「イロン」と間違われてしまうのですが、正しくは「イロン」なのでよろしくお願いします。